【大家さん・管理会社向け】家賃滞納の内容証明の書き方と例文|送るタイミングと法的効果を行政書士が解説

家賃滞納の内容証明
書き方・文例テンプレート・送付後の対応まで完全解説
家賃の支払いが止まった入居者に、口頭や電話で催促してもなかなか動いてもらえない——そんな状況に直面している大家さんや管理会社のご担当者に向けて書いた記事です。
内容証明郵便は「法的な催告の証拠」を残す最初の一手です。正しく送れば、その後の契約解除・明渡し請求・法的手続きへの移行がスムーズになります。
この記事では、書き方の基本ルールからコピーしてすぐ使える文例テンプレート(2パターン)、送付後の動き方まで、1記事で完結できるよう解説します。
① 家賃滞納に内容証明を送るべきタイミングと理由
内容証明郵便は、「いつ・誰が・どんな内容の手紙を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれる制度です。支払いの催告事実を証拠として残すことができるため、後の法的手続きで非常に有利に働きます。
ただし、内容証明は魔法の手紙ではありません。送るだけで即座に立ち退かせることはできません。あくまでも「法的手続きへのスタートライン」として位置づけましょう。
滞納1か月・2か月・3か月以上の対応フロー
| 滞納期間 | 推奨アクション | 内容証明の要否 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 電話・SMS・メール等で柔らかく確認。支払い忘れのケースも多い。 | 原則不要(まず口頭催告) |
| 2か月目 | 書面(普通郵便)で正式な支払い催告。口頭催告の記録もメモで残す。 | 検討段階。状況次第で送付 |
| 3か月目以上 | 内容証明で催告+契約解除の予告。法的手続き準備も並行開始。 | ✅ 送付を強く推奨 |
賃貸借契約の解除には「信頼関係破壊の法理」が適用されます。裁判所は一般に、3か月以上の継続的な滞納があって初めて信頼関係の破壊を認めやすい傾向があります。ただし個々の事情により判断は異なります。
「即時強制退去はできない」日本の法律の壁
よく誤解されるのが、「内容証明を送ればすぐに出て行ってもらえる」という認識です。残念ながら、日本の法律では自力救済(施錠替えや荷物の撤去など)は禁止されており、強制退去には裁判所の手続きが必要です。
- 内容証明送付 → 支払いなし → 契約解除通知 → 明渡し請求訴訟 → 強制執行
- 鍵を勝手に交換したり、荷物を移動させたりすると、大家側が不法行為を問われる可能性があります
- 最短でも、内容証明から強制執行まで数か月〜半年以上かかるケースが大半です
滞納期間が長期化している場合や、入居者が連絡を無視している場合は、早めに弁護士や司法書士へ相談することを検討してください。法的手続きへの移行を見据えた戦略的な対応が求められます。
② 内容証明に書くべき5つの要素
家賃滞納の内容証明に盛り込むべき内容は明確です。以下の5要素を漏れなく記載することで、法的な催告として有効な書面になります。
① 滞納期間と金額の明示
「いつからいつまでの、いくら分が未払いか」を具体的に記載します。曖昧な書き方は後で争いの種になるため、月ごとの内訳を明記するのが理想です。
令和○年○月分 金○○,000円
令和○年○月分 金○○,000円
合計 金○○,000円
② 支払い期限の設定(7〜14日が一般的)
催告書には必ず支払い期限を設けます。一般的には到達日から7日〜14日以内が目安です。短すぎると「支払う機会を与えなかった」と争われることがあるため、1週間以上を確保するのが無難です。
③ 期限内未払い時の予告(契約解除・明渡し請求)
「期限内に支払いがない場合は、賃貸借契約を解除し、物件の明渡しを求める」という予告文を必ず入れます。この一文が、後の法的手続きを進める上での根拠になります。ただし、契約解除の意思表示は慎重に。一度解除を通知するとその効果は簡単には撤回できないため、状況に応じた書き分けが必要です。
④ 差出人・受取人の正確な記載
内容証明では、差出人(大家・管理会社)と受取人(入居者)の氏名・住所を正確に記載する必要があります。法人の場合は会社名・代表者名も記入します。誤字・略称は避け、住民票や契約書と一致させましょう。
⑤ 書式ルール(横書き:1行26字以内・1枚20行以内)
内容証明には郵便局が定めた書式ルールがあります。
- 横書きの場合:1行26字以内・1枚20行以内
- 縦書きの場合:1行20字以内・1枚26行以内
- 同じ内容の文書を3通作成(原本1通+郵便局保管用1通+自分の控え1通)
- 訂正はできるが、方法に決まりあり(行の右に訂正字数・左に挿入字数を記載し押印)
③ コピーして使える文例テンプレート(2パターン)
以下の2パターンを用意しました。状況に合わせてご活用ください。【 】部分は実際の情報に書き換えて使用してください。
パターンA|催告のみ(初回送付向け)
初めて内容証明を送る場合や、まだ契約解除まで踏み込まない段階に適したテンプレートです。
パターンB|契約解除予告付き(2回目以降向け)
催告書を送付済みにもかかわらず支払いがない場合、または滞納が3か月以上に及ぶ場合に使用します。契約解除の意思表示を含む重要な書面です。状況によっては弁護士への相談もご検討ください。
④ 内容証明の送り方(窓口・e内容証明)
郵便局窓口での送付手順と費用
最もオーソドックスな送付方法です。同じ内容の文書を3通持参します(原本・郵便局保管用・自分の控え)。
- 文書を3通作成(パソコン・手書きどちらでも可)
- 内容証明郵便を取り扱う郵便局の窓口へ持参
- 担当者が書式チェック・内容確認を行う
- 料金を支払い、差出人控えを受け取る
| 費用の内訳 | 目安金額(2025年現在) |
|---|---|
| 基本料金(定形25g以内) | 110円 |
| 書留料金 | 480円 |
| 内容証明料金(1枚目) | 450円 |
| 内容証明料金(2枚目以降、1枚につき) | 260円 |
| 配達証明(同時申請推奨) | 320円 |
| 合計(1枚・配達証明あり) | 約1,360円〜 |
料金は変更される場合があります。送付前に最寄りの郵便局か日本郵便の公式サイトでご確認ください。
e内容証明を使うメリットと手順
日本郵便が提供するオンラインサービス「e内容証明(電子内容証明)」を利用すると、郵便局に行かずにパソコンから24時間送付できます。
e内容証明のメリット
- 書式の自動チェック機能あり(行数・字数エラーを事前に防げる)
- 深夜・休日でも送付手続きが可能
- 控えのデータ保存が容易
- 複数通を一括送付できる
基本的な手順
- 日本郵便の「e内容証明」サイトにアクセスしアカウント登録
- 専用フォームに文書を入力(書式チェック自動)
- 差出人・受取人情報を入力
- クレジットカードで料金を支払い、送付完了
⑤ 送付後の流れと次の手
配達証明を同時に取得する理由
内容証明郵便と一緒に配達証明を申請することを強くおすすめします。配達証明は「いつ相手に郵便が届いたか」を証明するもので、支払い期限の起算日を確定させる重要な証拠になります。
「内容証明は出したが相手に届いているかわからない」では、後の手続きで争われることがあります。両方セットで申請するのが基本です。
支払いがあった場合の対応
内容証明が届いて相手が支払いに応じた場合は、まず入金を確認します。
- 全額が入金されたら、滞納問題はひとまず解決です
- 再発防止のため、今後は家賃保証会社の利用や自動振替への切り替えを検討しましょう
- 口頭でも「遅延損害金は今回は請求しない」など取り決めた内容は書面で確認しておくと安心です
それでも支払いがない場合(法的手続きへ)
期限内に支払いも連絡もない場合は、法的手続きへ移行します。主な選択肢は以下のとおりです。
| 手続き | 概要 | 目安費用・期間 |
|---|---|---|
| 支払督促 | 裁判所を通じて支払いを求める簡易手続き | 数千円〜・1〜2か月 |
| 少額訴訟 | 60万円以下の請求に使える1日で終わる裁判 | 1〜2万円〜・1〜2か月 |
| 明渡し訴訟 | 物件の明渡しを求める本格的な訴訟 | 弁護士費用含め数十万円〜・半年以上 |
| 強制執行 | 判決を取得した後、裁判所に申立てて強制退去 | 数十万円〜・別途数か月 |
「損切り」判断の目安
法的手続きに進むには費用と時間がかかります。場合によっては、弁護士費用や訴訟費用を回収しきれないケースもあります。以下を参考に「追いかけるべきか」を冷静に判断しましょう。
- 滞納総額が少額(10万円未満)の場合:法的手続きのコストが見合わないことも
- 入居者が行方不明・無財産の場合:回収可能性を弁護士に確認してから動く
- 次の入居者を早く迎えたい場合:和解(多少の減額)も選択肢に入れる
- 物件を早期に空けたい場合:弁護士交渉で退去合意を得る「任意退去」も有効
⚖️ 状況によっては弁護士への相談をおすすめします
滞納期間が長期化・高額化している場合、相手が居直りや行方不明の場合、または法的手続きへの移行を検討している場合は、弁護士や司法書士への相談が最善の一手です。内容証明の送付前に相談することで、送付後の戦略も含めたアドバイスが得られます。
⑥ よくある疑問Q&A(5問)
まとめ:家賃滞納×内容証明の要点
- 3か月以上の滞納には内容証明での催告が有効。送付前に催告の記録も残す
- 書くべき5要素:滞納金額・支払期限・解除予告・当事者情報・書式
- 初回はパターンA(催告のみ)、2回目以降はパターンB(契約解除予告付き)
- 配達証明は必ずセットで申請する
- 期限内に支払いがない場合は法的手続きへ。弁護士への相談を検討する
- 自力救済(鍵交換・荷物撤去)は禁止。必ず法的手続きを踏む
内容証明は「最後通牒」ではなく、法的手続きへの第一歩です。この記事のテンプレートを活用しつつ、状況が複雑な場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。
信頼できる情報源リスト
民法第541条(催告による解除)に基づき、相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がない場合に契約解除ができるという法的根拠を確認できます。
e-Gov法令検索 - 民法第541条滞納が解消されない場合の最終手段である「訴訟」において、内容証明がどのような証拠(催告の証拠)として機能するかを理解するための資料です。
裁判所 - 民事訴訟の手続行政書士が内容証明作成においてどのような役割(書面作成・相談)を果たすのか、専門家の職域とサポート内容が示されています。
日本行政書士会連合会 - 契約・公正証書内容証明サポート・料金プラン一覧
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