元カレに借用書なし・LINE証拠でお金を返してもらう方法|内容証明による貸金返還請求

「借用書を作らずにお金を貸してしまった」「返す約束はLINEに残っているが、催促しても支払われない」——このような場合でも、借用書がないという理由だけで直ちに請求できなくなるわけではありません。
大切なのは、お金を渡した事実と、贈与ではなく貸付だったこと、そして返す約束の内容を、手元の記録から整理することです。
- 借用書がなくても、口頭やLINEによる貸付の合意が成立している場合があります。
- ただし「契約が成立したか」と「裁判などで証明できるか」は別の問題です。
- 内容証明は、請求した日と文面を記録に残す手段です。借金の存在や文面の真実性まで証明するものではありません。
- 送る前にLINE、振込記録、返済履歴などを保存し、送付後の次の対応も決めておくことが重要です。
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借用書なしでも貸したお金を請求できる可能性があります
民法上の消費貸借は、当事者の一方が金銭などを受け取り、同じ種類・品質・数量の物を返すことを約する契約です。書面がない貸し借りでも、お金を渡したことと返還の合意が認められれば、返還請求を検討できます。
一方で、相手から「もらったお金だ」「生活費を負担してもらっただけだ」と争われる可能性があります。そのため、借用書の有無だけで判断せず、次の3点を確認します。
- 金銭を渡した事実:振込記録、ATM明細、受取メッセージなど
- 貸付だったこと:「貸して」「返す」「借りた」などのやり取り
- 返済条件:金額、返済日、分割回数、返済先など
LINEは証拠になる?確認したいメッセージの内容
LINEやメールは、貸付の経緯や返済の約束を示す資料になり得ます。ただし、スクリーンショットがあれば必ず請求が認められるという意味ではありません。前後の文脈、相手の本人性、振込記録なども含めて個別に判断されます。
| 確認したい記録 | 比較的説明しやすい例 | 争われやすい例 |
|---|---|---|
| 貸付の依頼 | 「5万円貸してほしい」 | 「助けてほしい」だけ |
| 返済の約束 | 「○月○日に5万円返す」 | 「いつか返す」「今度返す」 |
| 受領の確認 | 「振込を確認した。ありがとう」 | 送金記録だけで用途が不明 |
| 支払いの承認 | 「今月は1万円、来月残りを払う」 | 「考えておく」「また連絡する」 |
| 一部返済 | 返済名目が分かる振込と会話 | 別件の送金か判断できない記録 |
スクリーンショットだけでなく会話全体を保存する
- 相手の表示名だけでなく、アカウントを特定できる画面も保存する
- 金額・日付・返済の約束が分かる前後の会話を残す
- スクリーンショットに加え、トーク画面をスクロールした動画や書き出しデータも保存する
- 振込明細、通帳、当時のメモなど別の資料と照合する
- 自分に不利な部分も削除せず、元データを保全する
保存方法を詳しく確認したい方は、LINEトーク履歴を証拠として残す方法と、LINEのスクリーンショットを保存する際の注意点をご覧ください。
貸したお金を請求する5つの手順
1.証拠を消される前に保存する
催促する前に、LINE、メール、振込記録、返済履歴などを保存します。相手にブロックされたり、メッセージが削除されたりしてからでは、確認できる情報が減る可能性があります。
2.貸付の経緯を時系列にする
「いつ」「誰に」「いくら」「どの方法で渡したか」「いつ返す約束だったか」「これまでに何を請求したか」を時系列に並べます。複数回貸している場合は、貸付ごとに金額と返済状況を分けてください。
3.安全に連絡できるなら、記録が残る方法で確認する
相手との関係を維持したい場合は、直ちに強い通知を送るのではなく、LINEやメールで返済予定日を確認する方法もあります。言い方に悩む場合は、「貸したお金を返して」と言いづらいときの伝え方をご確認ください。
暴力、脅迫、つきまといなどの危険がある場合は、直接連絡や面会を優先しないでください。警察や弁護士など専門家に確認し、安全確保を優先します。
4.請求内容を整理して内容証明を送る
連絡しても返済されない、無視される、話を先延ばしにされる場合は、内容証明郵便による催告を検討します。内容証明には、貸付の経緯、請求額、支払期限、振込先、期限までに支払いがない場合の対応方針などを記載します。
5.支払いがなければ次の手続きを検討する
内容証明そのものには、相手の財産を差し押さえたり、支払いを強制したりする力はありません。反応がない場合は、証拠と請求額に応じて、支払督促、少額訴訟、通常訴訟、民事調停などを検討します。
内容証明でできること・できないこと
| できること | できないこと |
|---|---|
| いつ、誰から誰に、どのような文書を差し出したかを記録に残す | 記載した内容が真実であることを証明する |
| 返済を求める意思と期限を明確に伝える | 相手に返済や回答を強制する |
| 後日の手続で、どのような催告をしたか説明しやすくする | 判決や強制執行と同じ効果を生じさせる |
日本郵便は、内容証明について「文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではない」と案内しています。また、内容証明だけでは受取人への配達日までは証明されないため、到達日を残したいときは配達証明の利用も検討します。
内容証明に記載する基本項目
- 差出人と受取人の氏名・住所
- お金を貸した日、金額、交付方法
- 返済の約束と返済期日
- これまでの返済額と現在の未返済額
- 今回請求する金額
- 支払期限と振込先
- 期限までに支払いがない場合の対応方針
実際の文面では、相手を非難する言葉よりも、確認できる事実を時系列で記載します。「詐欺師」「犯罪者」「払わなければ職場に言う」など、事実確認が不十分な断定や威迫と受け取られ得る表現は避けましょう。
借用書なし・LINEの約束がある場合の文例
通知書
私は、令和○年○月○日、貴殿に対し、金○○円を貸し渡しました。
この貸付について、貴殿は令和○年○月○日のLINEにおいて、令和○年○月○日までに返済する旨を述べています。しかし、同期限を経過した現在も、金○○円の返済を確認できていません。
つきましては、本書面到達後○日以内に、未返済金○○円を下記口座へお支払いください。
上記期限までにお支払い又は具体的なご連絡がない場合は、支払督促その他の法的手続きを検討します。
記
金融機関名:○○銀行
支店名:○○支店
口座種別:普通
口座番号:○○○○○○○
口座名義:○○○○
以上
内容証明を送った後の選択肢
支払督促
金銭などの支払いについて、債権者の申立てに基づき、簡易裁判所が支払督促を発する手続です。原則として書類審査で進みますが、相手が異議を申し立てると民事訴訟へ移行します。
少額訴訟
60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用でき、原則1回の審理での解決を目指す手続です。最初の期日までに言い分と証拠を準備する必要があります。
通常訴訟・民事調停
請求額が60万円を超える場合や、貸付の事実・金額について争いが大きい場合は、通常訴訟や民事調停を検討します。どの手続が適切かは事案によって異なるため、裁判手続や代理交渉が必要な場合は弁護士など専門家に確認してください。
内容証明を送っても支払いがない場合は、少額訴訟へ進む前に確認したいことも参考にしてください。
行政書士に依頼できること
クロフネ行政書士事務所では、ご本人名義で送る内容証明について、事実関係と希望を伺い、文書の作成と郵送手続きを支援します。
- LINE、振込記録、時系列の整理
- 貸付の経緯と請求内容に合わせた文面作成
- 強すぎる表現や曖昧な表現の調整
- 内容証明・配達証明による郵送手配
- 送付後に考えられる次の手続の一般的な案内
行政書士は、相手方との代理交渉や訴訟代理は行いません。交渉・裁判手続が必要な場合や、争いが激しい場合は、弁護士など適切な専門家へつなぐことを検討します。
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よくある質問
借用書がなく、LINEしかありません。請求できますか?
請求を検討できる場合があります。金額、貸付の依頼、返済の約束が分かるLINEに加え、振込記録や一部返済などの資料を組み合わせて確認します。LINEだけで必ず認められるわけではありません。
相手にブロックされています。内容証明を送れますか?
相手の氏名と送付先住所が分かれば、LINEとは別に郵便で通知できます。ただし、住所が古い場合や受取拒否・不在の場合もあるため、送付先と送付後の方針を事前に整理します。
内容証明を送れば時効はリセットされますか?
リセットされるとは限りません。催告による時効の完成猶予は原則6か月で、再度の催告では同じ効果が生じません。時効が近い可能性がある場合は、早急に弁護士など専門家へ確認してください。
返済期限を決めていませんでした。どうすればよいですか?
返済時期を定めていない貸付では、相当の期間を定めて返還を催告することが考えられます。どの程度の期間が相当かは事情によって異なるため、個別に専門家へ確認してください。
内容証明を無視されたら、行政書士が相手と交渉してくれますか?
行政書士は、ご本人名義の文書作成を支援しますが、相手との代理交渉や訴訟代理は行いません。送付後に交渉や裁判が必要になった場合は、弁護士等への相談を検討します。
参考資料
- e-Gov法令検索「民法」(消費貸借、返還時期、催告による時効の完成猶予)
- 日本郵便「内容証明」
- 日本郵便「内容証明は、相手が受け取ったことも証明してくれますか?」
- 裁判所「少額訴訟」
- 裁判所「支払督促」
本記事は一般的な情報を提供するもので、個別案件について法的判断を行うものではありません。証拠の内容、消滅時効、相手方との争い、安全上の問題などによって適切な対応は異なります。必要に応じて弁護士等の専門家に確認してください。
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