少額訴訟で泣き寝入り回避!費用倒れを防ぐ判断基準と回収までの全手順

【保存版】少額訴訟で泣き寝入り回避!費用倒れを防ぐ全手順とQ&A10選
「30万円貸した友人が、LINEを未読無視し始めた…」
「内容証明を送ろうか悩んでいるが、弁護士に頼むと費用でマイナスになる気がする」
個人間の金銭トラブルにおいて、最も多い結末は「回収コストを懸念した泣き寝入り」です。
しかし、日本の法律は泣き寝入りを防ぐための強力なツールを用意しています。それが、60万円以下の金銭支払いに特化した「少額訴訟制度」です。
本記事では、これまで数多くの金銭トラブル相談を受けてきた行政書士が、「自分で行う少額訴訟のリアルな手順」から「泥臭い証拠集めの方法」、そして「本当にあるQ&A」まで、約6,000文字で徹底的に解説します。
この記事でわかること
- 弁護士なしで戦う「本人訴訟」の具体的なやり方
- LINEやスクショを「最強の証拠」にする保存方法
- 住所がわからない相手を特定する裏ワザ
- 勝訴しても払わない相手への「差し押さえ」の現実
第1章:なぜ「少額訴訟」なら泣き寝入りしなくて済むのか?
多くの人が「裁判=弁護士=高い」という図式を思い浮かべます。しかし、少額訴訟はその常識を覆すために作られた、市民のための制度です。
1. 費用対効果が圧倒的に高い
通常の裁判を弁護士に依頼すると、着手金だけで10万円〜20万円、さらに成功報酬が必要です。30万円を取り戻すのに20万円かかっては意味がありません。
一方、少額訴訟を自分で行う(本人訴訟)場合、費用は驚くほど安く済みます。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 訴訟手数料(印紙代) | 1,000円〜6,000円 | 請求額による(例:10万円請求なら1,000円) |
| 予納郵券(切手代) | 3,000円〜6,000円 | 裁判所による。余れば返還される |
| 合計 | 約4,000円〜1.2万円 | これが実質的なコスト |
このように、飲み会1〜2回分の費用で、法的な「支払命令」を勝ち取ることができるのです。
2. スピード解決(原則1日で終了)
通常訴訟は月に1回、半年以上続くこともザラですが、少額訴訟は「1回の期日(審理)」で即日判決が出ます。
「何度も平日昼間に裁判所へ行く時間はない」という会社員の方でも、1日有給休暇を取れば決着をつけられるスピード感が最大の特徴です。
3. 法廷の雰囲気が「話し合い」に近い
少額訴訟が行われるのは、ドラマで見るような「法廷」ではなく、「ラウンドテーブル(円卓)」と呼ばれる会議室のような場所が多いです。
裁判官、司法委員、原告(あなた)、被告(相手)が同じテーブルを囲み、対話形式で進むため、一般の方でも過度に緊張せず主張できます。
第2章:勝てる条件と「証拠」の準備
少額訴訟は「60万円以下の金銭請求」に限られますが、勝つためには「証拠」が命です。借用書がない場合でも諦める必要はありません。
有効な証拠になるもの
- 借用書・念書: 最も強力ですが、友人・恋人間では作成していないことが大半です。
- LINE・メールの履歴: 「◯日までに返して」「ごめん、来月まで待って」というやり取りがあれば、借金の存在を立証できます。
- 銀行の振込明細・通帳のコピー: お金が移動した客観的な事実証明です。
- 内容証明郵便: 訴訟前に送った「請求の事実」と「相手が無視した事実」を証明します。
【重要】LINEスクショの撮り方のコツ
LINEを証拠にする場合、単に会話部分だけを切り取っても「偽造だ」と言われるリスクがあります。
「相手の名前(アイコン)」「日付」「具体的な金額の話」「返済の約束」が含まれている流れ全体を、動画でスクロール撮影するか、詳細情報画面も含めて静止画で保存してください。
第3章:いきなり訴える前に。「内容証明」が最強の布石になる
実務的なアドバイスをすると、いきなり裁判所に訴状を出すのは得策ではありません。
なぜなら、裁判はあくまで「最終手段」だからです。その前に、9割の人が行うべきステップが「内容証明郵便」の送付です。
内容証明を送るだけで解決する理由
相手がお金を返さない理由の多くは、「返さなくてもなんとかなる」「相手(あなた)は本気じゃない」と甘く見ているからです。
ここに、行政書士などの専門家名義で、朱色の印が押された内容証明が届くとどうなるでしょうか?
- 「裁判になるかもしれない」という恐怖心を与える
- 「職場や家族にバレるかもしれない」という焦りを生む
- 結果、訴訟せずに支払いに応じるケースが多い
費用倒れを防ぐためにも、まずは内容証明で様子を見る。それでもダメなら、その内容証明を証拠として少額訴訟へ移行する。この2段構えが、賢い回収のロードマップです。
第4章:相手の住所がわからない場合の「追跡調査」
訴訟を起こすにも、内容証明を送るにも、最大の壁となるのが「相手の住所」です。
「引っ越してしまった」「LINEしか知らない」という場合でも、方法はあります。
1. 住民票や戸籍の附票を取得する
「お金を貸している(債権者である)」という正当な理由と証拠があれば、相手の住民票を役所で請求できる場合があります。
しかし、個人での請求は役所の窓口で厳しく審査され、断られることも少なくありません。
2. 行政書士等の「職務上請求」を利用する
内容証明の作成を依頼する場合、行政書士などの専門家は、その業務に必要な範囲で職権で戸籍や住民票を取り寄せて、現在の住所を調査することができます。
「住所さえわかれば追い込めるのに…」という方は、ここが突破口になります。
相手の現住所が不明で、実家の住所だけ知っている場合、実家に送りたくなる気持ちはわかりますが、原則として法的効力は「本人の住所」で発生します。
ただし、実家に送ることで親御さんが事態を把握し、代わりに返済してくれる(または本人に連絡を取らせる)ケースは実務上よくあります。
第5章:勝訴しても安心できない?「差し押さえ」の現実
少額訴訟で勝訴し、判決文(債務名義)をもらっても、相手が素直に払わない場合があります。
その場合、裁判所に「強制執行(差し押さえ)」を申し立てる必要があります。
何を差し押さえるか?
- 預金口座: 相手の銀行・支店名がわかっていれば、口座を凍結して回収できます。
- 給与: 勤務先がわかっていれば、給料の一部(手取りの4分の1まで)を毎月天引きできます。
- 動産(家財道具): 執行官が家に行き、現金に変えられるものを差し押さえますが、実際には換金価値のあるものが少なく、空振りに終わることも多いです。
「勤務先を知っている」というのは、回収において最強のカードです。相手にとって「会社に借金トラブルがバレる」ことは最大のダメージだからです。
第6章:【Q&A】少額訴訟と内容証明の疑問10選
ここからは、実際に当事務所に寄せられる「泥臭い質問」に、忖度なしでお答えします。
相手が答弁書(反論)を出さず、当日も欠席した場合、原告(あなた)の主張が全面的に認められ、即日で支払いを命じる判決が出ます。これを「欠席判決」といい、実は少額訴訟ではよくあるパターンです。
判決文には「訴訟費用は被告の負担とする」と書かれることが一般的ですが、これはあくまで裁判所の手数料等の話です。行政書士や弁護士への報酬は、原則として「自己負担」となります。
「一括で返せ!」と判決が出ても、無い袖は振れません。無理やり差し押さえようとしても、相手が無職なら回収不能(空振り)になります。
それよりは、裁判上の和解(調書に残る約束)で「月々○万円ずつ」と確実に払わせる方が、結果的に手元にお金が戻る確率は高いです。
もし和解の約束を一度でも破れば、即座に給与差し押さえ等が可能な条項を入れます。
LINEブロックはあくまでSNS上の遮断であり、現実世界の郵便(内容証明)や、裁判所からの特別送達(訴状)は届きます。
むしろ、連絡手段を絶たれたからこそ、公的なルートでアプローチする正当性が生まれます。住所さえわかれば問題ありません。
自分で訴訟をする場合、裁判所からの通知は「自宅」に届きます。これを家族に見られるとバレます。
ただし、送達場所を「就業先(職場)」に指定する等の手続きも可能です。また、内容証明の送付だけであれば、行政書士に依頼し、連絡先を事務所経由にすることで、自宅への郵便物を減らすことは可能です。
事実関係が複雑で争いがある場合、裁判所が「1回の審理では判断できない」とし、通常訴訟への移行を決定することがあります。
これを防ぐためには、事前のLINE履歴などで「いつか返す」という発言(借金の承認)をしっかり確保しておくことが重要です。
ただし、過去に「1円でも返済」があったり、「もう少し待って」と借金を認める発言があった場合、そこから時効カウントがリセット(更新)されます。
時効ギリギリの場合は、内容証明(催告)を送ることで、時効の完成を6ヶ月間ストップさせることができます。
しかし、道義的責任を感じて親が立て替えるケースは多々あります。
ただし、文面で「親が払え!」と強要すると脅迫になる恐れがあるため、「ご子息と連絡が取れないため、ご連絡先をご存知であればお伝えください」といった、マイルドかつ事実を伝える文面にするテクニックが必要です。
弁護士は代理人として交渉や出廷ができますが、その分費用が高額(最低でも10万円〜)です。
行政書士は交渉や出廷はできませんが、内容証明の作成や訴状作成の支援(相談)を2〜3万円程度で行えます。
「60万円以下のトラブルで、10万円の弁護士費用は出せない。でも自分で文章を書くのは不安」という層に最適です。
相手が法的に破産してしまうと、借金は免責(チャラ)になり、手出しができなくなります。
だからこそ、相手が破産や夜逃げを考えるほど追い詰められる前に、早期に内容証明を送り、少額ずつでも回収をスタートさせることが鉄則なのです。
まとめ:泣き寝入りは「相手へのボーナス」。行動するだけで未来は変わる
60万円以下のお金は、諦めるには大きく、弁護士に頼むには小さい金額です。
詐欺師やお金にルーズな人は、そこを狙って「どうせ裁判なんてしてこない」とタカをくくっています。
しかし、本記事で解説した通り、少額訴訟と内容証明は、そんな不誠実な相手に対する強力な武器です。
自分で行えば数千円〜数万円のリスクで、大切なお金とプライドを取り戻すチャンスがあります。
まずは「内容証明」というジャブを打ってみる。
反応がなければ「住所調査」をして追いかける。
それでもダメなら「少額訴訟」で法廷に引きずり出す。
このステップを踏むことで、あなたの心のモヤモヤは確実に晴れていくはずです。
もし一人で進めるのが不安なら、いつでも私たち行政書士にご相談ください。あなたの「取り戻したい」という気持ちを、書面の力で全力サポートします。
免責事項・参考法令
本記事は、民事訴訟法(少額訴訟に関する特則)および実務経験に基づき執筆されていますが、個別の事案における勝訴や回収を保証するものではありません。
参考:裁判所ウェブサイト(少額訴訟)
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