《住所不明でも送れる?》 内容証明が返ってきた時の対処法と“特定できる調査方法”を解説

住所不明でも内容証明は送れる?返送されたときの対処法と調査方法
「相手の住所が分からない」「内容証明を送りたいのに送り先がはっきりしない」――
養育費の請求や、貸したお金の返還請求、同棲解消の清算など、実務でとても多いご相談です。
結論からお伝えすると、住所がまったく特定できない相手には内容証明を出すことはできません。
ただし、住民票の附票などで住所調査を行い、判明した住所に送ってみた結果として「宛所に尋ねあたりません」などと返送された場合、
その経緯自体が「連絡を尽くした」という証拠になります。
- 住所不明のままでは内容証明は出せないが、「調査+返送」の履歴は証拠として価値がある
- 住民票の附票・登記情報・勤務先・SNSなど、住所調査の方法はいくつかある
- 最終的には公示送達などの手続きもあり得るため、早めに専門家へ相談した方が安全
内容証明の前に必ず行いたい3つの住所調査
相手の住所が分からない、あるいは古い住所しか分からないときには、いきなり諦めるのではなく、まずは調査をどこまでやるかを決めます。
代表的な調査方法は次の3つです。
1.住民票の附票で転居先を辿る
住民票の附票には、住民票がどこからどこへ移動したかという履歴が記録されています。
「以前の住所」が分かる場合、その市区町村役場に対し、債権者として附票の取得を請求できるケースがあります。
- 貸したお金の返還請求
- 婚約破棄や慰謝料請求
- 同棲解消の費用清算 など
これらに該当する場合、行政書士が職務上請求で住民票・戸籍の附票を取得し、最新の住所を確認できる可能性があります。
ただし、住民票をそもそも移していなかったり、正しく登録していない場合などは、調査にも限界があります。
2.不動産登記や商業登記から住所を確認できる場合
相手が不動産を所有していたり、会社経営者・役員である場合には、法務局で登記簿を確認することで住所が分かることがあります。
- 不動産登記簿:所有者の住所・氏名を確認できる
- 商業登記簿:会社の所在地や、役員の住所が記載されている場合がある
氏名や会社名が分かっているなら、登記情報を調べるのは一度は検討したい手段です。
3.SNS・勤務先・連絡先からの補足調査
最近は、LINEやSNSだけで連絡を取っているケースも多く、「住所は知らないが勤務先は知っている」というご相談も少なくありません。
勤務先や共通の知人から住所を確認できる場合もありますが、やり方によってはストーカー規制法や名誉毀損の問題につながる可能性もあります。
そのため、「どこまでやってよいか」の線引きは、必ず専門家と相談しながら進めることをおすすめします。
勤務先に内容証明を送る場合の注意点
相手の自宅住所が分からなくても、勤務先が分かっている場合は勤務先宛てに内容証明を送る方法があります。
実務でもよく使われる手段ですが、いくつか注意点があります。
お客様からよく「名誉棄損にならないですか?」と質問をいただきますが、当事務所では『親展』で送付する運用にしており(追加料金はいただいておりません)、
できる限り第三者に中身が見られないよう配慮しています。
- 封筒に「親展」と明記する
- 本人限定受取郵便などのオプションを検討する
- 相手が現在もその勤務先に在籍しているかを可能な範囲で確認する
また、会社によっては「社員個人宛の内容証明は受け取らない」という方針のところもあり、受取拒否される可能性もあります。
勤務先送付が適切かどうかは、ケースごとに判断が分かれるため、事前に専門家に相談しておくと安心です。
「宛所に尋ねあたりません」で返送されたときの扱い
調査をしたうえで判明した住所に内容証明を送ったものの、
郵便局から「あて所に尋ねあたりません」という理由で返送されてくることがあります。
これは、その住所にその人物が住んでいないことを郵便局が確認した、という意味になります。
つまり、「相手には届かなかった」という証拠です。
- 封筒の表裏
- 不達理由が押印された面
- 配達証明付きであれば配達証明書
文面の中で、次のように調査の経緯を一文添えておくこともあります。
「貴殿の現在の住所が不明であるため、住民票の附票等をもとに判明した上記住所宛てに本書面を送付します。」
こうしておくことで、「適当に送りつけた」のではなく、合理的な調査の結果としてその住所を選んだことを示しやすくなります。
それでも住所が分からないときの最終手段:公示送達
住民票・附票の取得、登記情報の確認、勤務先調査など、考えられる手段を尽くしてもなお住所が分からない場合、
最終的には「公示送達」という手続きが検討されます。
公示送達とは、裁判所の掲示板や官報に公告することで、相手に書面を送ったものとみなす制度です。
実際に相手が読んだかどうかにかかわらず、「送達した」と扱われるため、訴訟を前に進めることができるようになります。
ただし、公示送達は誰でも簡単に使えるわけではなく、
「ここまで調査したが、それでも相手の所在が分からない」という事情を資料とともに裁判所へ説明する必要があります。
行政書士に依頼するメリット
住所調査や内容証明の送付をすべてご自身で行うことも不可能ではありませんが、
実務上は、次のような理由から行政書士に依頼した方が結果的に早く・安全なケースが多いです。
- 職務上請求書により、相手の住民票や戸籍の附票を取得できる場合がある
- 適法かつ妥当な送付先を選ぶためのアドバイスが受けられる
- トラブル内容に応じた内容証明の文面を作成してもらえる
- 将来の裁判を見据えた「証拠として強い」書き方をしてもらえる
特に、「相手が逃げている」「わざと住所を教えない」といったケースでは、
早い段階で専門家のサポートを受けた方が、時間とお金のロスを減らすことができます。
まとめとご相談のご案内
相手の住所がわからないからといって、すぐに内容証明を諦める必要はありません。
住民票の附票、不動産・商業登記、勤務先調査、公示送達など、状況に応じた手段を組み合わせることで、
法的にきちんとした形で通知を行える可能性があります。
ただし、どの手段がふさわしいか、どこまで調査をするかはケースバイケースです。
当事務所では、内容証明の文面作成から住所調査の方針決めまで一括でサポートしています。
「このケースで勤務先に送って大丈夫か?」「住民票は取れるのか?」など、
具体的な状況をお伺いしたうえでアドバイスいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
内容証明サポート・料金プラン一覧
ご自身で試したい方から、住所を知られたくない方まで。
目的とご予算に合わせてお選びいただけます。
作成+発送代行プラン
- WEBヒアリングで詳細をお伺い
- 行政書士が全文作成・修正1回無料
- 内容証明+配達証明を差出人名義で発送代行
作成代行&郵送
- WEBヒアリングでトラブル内容を丁寧に確認
- 行政書士が全文を作成(修正1回無料)
- 相手方に自宅住所を直接知られにくい発送方法を提案
- 内容証明+配達証明を行政書士が郵送手配
行政書士名で代理通知&速達
- 差出人名を「クロフネ行政書士事務所」として発送
- 相手方に本人の住所・氏名を開示せず通知
- 証拠を残す配達証明付き内容証明で発送
- 急ぎの依頼に優先作成&速達で手配



