【行政書士解説】「携帯ブラックリスト(TCA)」は時効で消せる?不払者情報の削除ルールと復活方法
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「過去にドコモやau、ソフトバンクの携帯代を払わずに強制解約になってしまった」
「久しぶりに自分名義でスマホを契約しようとしたら、審査に落ちてしまった」
このような経験がある場合、あなたの名前は、携帯電話会社の間で共有される「不払者情報(通称:携帯ブラックリスト)」に登録されている可能性があります。
一般的に「借金は5年で時効になる」と言われていますが、携帯電話の未払い情報は、単に放置しているだけでは消えないケースがあることをご存知でしょうか。
放置し続けると、携帯の再契約ができないだけでなく、住宅ローンやクレジットカードの審査にも悪影響を及ぼし続けます。
この記事では、内容証明郵便と時効援用の専門家である行政書士が、携帯ブラックリストの正体である「TCA」と「CIC」の仕組み、そして法的な手続き(時効援用)によって情報を削除し、再び契約するための具体的なステップを徹底解説します。
携帯ブラックの正体「TCA」と「CIC」の違い
携帯電話の審査に落ちる原因は、大きく分けて2つの「ブラックリスト」にあります。
これらは登録される内容や、影響する範囲が異なります。
1. TCA(電気通信事業者協会)の不払者情報
一般的に「携帯ブラック」と呼ばれるのがこちらです。
TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)またはTELESA(テレサ)という機関を通じて、携帯電話会社各社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなど)が、「料金を滞納したまま解約された人」の情報を共有しています。
- 対象:通話料、データ通信料などの「サービス利用料金」の未払い。
- 影響:携帯電話会社間でのみ共有されるため、ここに入っていると他社へ乗り換えようとしても「この人はA社で未払いがある」とバレてしまい、契約を断られます。
2. CIC(指定信用情報機関)の信用情報
こちらは、クレジットカードやローンの審査で使われる「金融ブラック」のことです。
最近のスマートフォンは10万円を超える高額なものが多く、本体代金を「分割払い」にするケースが一般的です。この分割払いは、法律上は「ローン(割賦契約)」と同じ扱いになります。
- 対象:スマートフォン本体(端末)代金の分割払いの滞納。
- 影響:携帯会社だけでなく、クレジットカード会社、銀行、消費者金融などもこの情報を見ます。そのため、携帯代を滞納したせいで「クレジットカードが作れない」「住宅ローンが組めない」という事態に発展します。
多くの人が陥る「ダブルブラック」
強制解約になるケースでは、「通信料」と「端末分割代金」の両方を滞納していることが大半です。
つまり、TCAとCICの両方にネガティブな情報が登録されている(ダブルブラック)状態です。
この場合、いくら格安SIMなどで通信契約だけできたとしても、CICの情報が消えない限り、将来的な金融取引全般に制限がかかり続けることになります。
放置しても消えない?情報の保有期間について
ネット上の噂で「ブラックリストも5年待てば消える」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、これは半分正解で、半分は致命的な間違いです。
放置していても消えないケースについて解説します。
CIC情報の「5年」はいつから始まるか
CICのルールでは、延滞情報の保有期限は「契約終了(完済または支払い義務消滅)から5年間」と定められています。
重要なのは、「支払わずに放置している間(延滞継続中)」は、いつまで経っても5年のカウントダウンが始まらないという点です。
【放置のリスク】
未払いのまま放置していると、CIC上の「延滞」マーク(異動情報)は毎月更新され続けます。
5年はおろか、10年経ってもブラック情報は残り続け、その間、遅延損害金も膨らみ続けます。
TCA情報の登録期間と実態
一方、TCA(不払者情報交換)のルールでは、「契約解除後5年以内」とされています。
以前は「支払うまで掲載し続ける」という運用でしたが、現在は5年経過すればリストからは削除されることになっています。
「じゃあ、5年待てば携帯は契約できる?」と思われるかもしれませんが、以下の点に注意が必要です。
- 社内ブラックは消えない:
TCAから情報が消えても、迷惑をかけた携帯会社(例えばドコモ)の社内データには「過去に未払いがあった人」として半永久的に記録が残ります。その会社での再契約は非常に困難です。 - 債権回収会社への譲渡:
携帯会社が債権を「ニッテレ債権回収」などのサービサーに譲渡した場合、TCAからは消えることがありますが、請求自体はサービサーから続き、裁判を起こされるリスクが高まります。
時効援用で「不払者情報」は削除されるのか?
ここで登場するのが、行政書士がサポートする「消滅時効の援用(しょうめつじこうのえんよう)」です。
5年以上前の携帯料金未払いは、法的に支払い義務をなくせる可能性があります。
時効援用が成功するとどうなる?
内容証明郵便によって携帯会社(または債権回収会社)に時効を援用し、認められた場合、法的に「支払い義務」が消滅します。
これにより、各ブラックリストの情報はどうなるのでしょうか。
1. TCA(不払者情報)の場合
支払い義務がなくなれば、当然ながら「不払い」という事実は存在しなくなります。
携帯電話会社は、時効成立を確認した後、TCAのデータベースからあなたの情報を削除(または情報の交換対象外とする処理)を行います。
これにより、他社の携帯審査における「不払い」による否決理由は解消されます。
2. CIC(信用情報)の場合
CICに登録されている「異動」などのネガティブ情報についても、処理が行われます。
時効が成立すると、情報のステータスが「完了」や「契約終了」などに書き換えられます。
これにより、ようやく「情報の保有期限(5年)」のカウントダウンがスタートします。
即座に真っ白になるわけではありませんが、「延滞中」として未来永劫残り続ける状態からは脱出できます。
また、「完了」情報がつくことで、一部のクレジットカードやローン審査には通る可能性が出てきます。
手続きの前に「CIC開示」が必須な理由
「自分も5年以上前の未払いがあるから、すぐに内容証明を送りたい!」
そう思われた方も、少し待ってください。
時効援用の手続きをいきなり行うのはリスクがあります。
なぜなら、「本当に時効の条件を満たしているか」は、あなたの記憶だけでは不正確だからです。
失敗すると「債務承認」になるリスク
もし、最後の支払いから4年11ヶ月しか経っていなかった場合。
あるいは、知らない間に裁判を起こされていて、時効が10年に延びていた場合。
この状態で内容証明郵便を送ると、「私はここに住んでいて、借金のことを覚えています」と相手に伝えることになり、これをきっかけに督促が再開したり、時効期間がリセット(債務の承認)されたりする恐れがあります。
これを「藪蛇(やぶへび)」と言います。
このような事態を防ぐために、専門家は必ず事前に「CICの信用情報開示」を行うことを推奨しています。
CICのデータを見れば、以下の事実が客観的にわかります。
- 正確な「延滞発生日」や「最新返済日」
- 端末の分割払いが残っているか
- 法的手続き(債務名義)の記録がないか
まとめ:携帯ブラックからの復活は、まず現状確認から
携帯電話のブラックリスト(TCA・CIC)は、放置していても生活に不便を強いられるだけです。
しかし、5年以上経過している債務であれば、法律の正当な権利である「時効の援用」を行うことで、支払い義務をなくし、情報の削除・訂正へと進むことができます。
これから結婚や住宅購入、あるいは単に「自分名義のスマホを持ちたい」という当たり前の生活を取り戻すために、まずは過去の清算を行いましょう。
「携帯がなくてCICが見れない」という方へ
ここで一つ、大きな問題があります。
現在、CICの情報をインターネットで開示するには、「クレジット契約のある携帯電話番号からのSMS認証」や「クレジットカード」が必須となっています。
つまり、「携帯ブラックだから携帯が持てず、そのせいで自分のブラック情報を確認できない」というジレンマに陥っている方が非常に多いのです。
郵送での開示も可能ですが、手間と時間がかかります。
当事務所では、そのようなお悩みを持つ方のために、提携サービスを通じた「CIC開示サポート」をご案内しています。
当事務所提携の「CIC開示・診断サポート」
ご自身でネット開示ができない方のために、専用端末の貸与や手続きサポートを行っています。
電話番号やクレジットカードをお持ちでない方でも、その場で正確な信用情報を確認し、時効の可能性を診断することが可能です。
「自分の場合はどうなんだろう?」と不安な方は、まずは行政書士の無料相談、またはCIC診断サポートをご利用ください。
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ご自身で試したい方から、住所を知られたくない方まで。
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参考資料・情報源
本記事の執筆にあたり、以下の公的機関、法令、および公的サービスの情報を参照しています。法的手続きの詳細や最新の運用については、各公式サイトをご確認ください。
- 法務省:民法(債権法)改正について
2020年4月の民法改正により、消滅時効の期間(原則5年)に関するルールが変更されています。借入時期によって適用される法律が異なるため、公的な解説を確認することが重要です。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html - e-Gov法令検索:民法(第145条 時効の援用)
「時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めた条文です。通知書を送る法的根拠となります。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089 - 日本郵便:内容証明
時効援用通知書を送付する際の標準的な手段である「内容証明郵便」の利用方法、および「配達証明」のオプションについて解説されています。
https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html - 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
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※本記事は、上記の法令、公的機関の情報、専門書籍等を参考に執筆されていますが、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。具体的な問題については、専門家にご相談ください。



