借用書がない…!でも諦めないで。貸したお金を取り返すための内容証明完全ガイド

借用書がない…!でも諦めないで。貸したお金を取り返すための内容証明完全ガイド
「借用書を書かずにお金を貸してしまった」
「友人だから信じていたのに、返してくれない」
そんな時、多くの人が「証拠がないからもう無理」と諦めてしまいます。
しかし、借用書がなくてもお金を取り戻す方法はあります。
この記事では、行政書士の視点から「内容証明郵便」を使って貸金返還を有利に進める具体的なステップを解説します。
借用書がなくてもお金を返してもらえる理由
1. 貸金契約は「口約束」でも成立する
民法では、貸金契約に書面は必須ではありません。
つまり、「お金を渡した」事実と「返す約束があった」ことを証明できれば、法的には返還請求が可能です。
2. お金の流れを示す証拠が重要
借用書がなくても、以下のような客観的な証拠があれば立証の補強になります。
- 銀行振込の履歴(送金メモ欄に「貸付金」などがあれば強い)
- LINE・メール・SNSのやり取り
- 返済の約束・催促への返答履歴
- 周囲の証言(知人に相談していた等)
3. 「内容証明」で相手にプレッシャーを与える
内容証明郵便は、「いつ・誰が・何を送ったか」を郵便局が証明してくれる正式な通知手段です。
法的な拘束力はありませんが、「訴訟も辞さない」という意思を伝えることで、支払いを促す強い効果があります。
借用書がなくても、「お金を貸した証拠」+「返済を求めた事実」があれば、内容証明で十分に交渉の土台を作れます。
内容証明郵便で返済を求めるメリット
1. 相手に心理的プレッシャーを与える
内容証明を受け取った相手は「法的手続きが近い」と感じ、慌てて支払うケースが多いです。
特に、第三者(郵便局)が関与している点が心理的な圧力になります。
2. 証拠として残る
訴訟や調停になった場合、内容証明の写しは「請求の意思を明確に示した証拠」になります。
これにより、「返済の催促を受けていなかった」という言い逃れを防ぐことができます。
3. 時効をリセットできる可能性
内容証明の送付は、民法上の「催告」に該当します。
これにより時効(通常は5年)を中断させる効果を得られる場合があります。
ただし、6か月以内に訴訟などの法的手続きをとる必要がある点に注意。
Q: 口約束で貸したお金でも、内容証明を出す意味はありますか?
A: あります。
「返してもらう意思を明確に伝えた」という証拠になりますし、相手が動揺して支払うケースも少なくありません。
内容証明に書くべき基本項目
1. 当事者の情報
差出人(あなた)と相手の氏名・住所を正確に記載します。
住所は住民票または郵便物の届く住所を使用しましょう。
2. 貸付の事実と返済の約束
「いつ」「いくら」「どのように貸したか」を具体的に記載します。
例:「令和○年○月○日に○円を貸し渡した」など。
また、口頭での約束でも「返済する旨の確認を得ていた」と明記します。
3. 返済期限と支払い方法
「○月○日までに下記口座へ振込をお願いします」と期限と方法を明確に書きます。
これにより、相手に行動の選択肢を与えません。
4. 支払わない場合の対応
「期限までに支払いがない場合は法的措置を検討する」と明示することで、事態の重大さを伝えます。
感情的な言葉(「裏切り」「最低」など)は避け、
「事実」「金額」「期限」「対応方針」を淡々と書くのが信頼を得るコツです。
証拠が少ないときの補強方法
1. 銀行振込の明細を活用
振込の履歴は立派な証拠です。
送金時のメモ欄に「貸付金」「立替金」などが残っていれば非常に強力です。
2. メッセージ履歴をスクリーンショットで保存
LINEやメールで「返す」「ありがとう」などの文面があれば、それも証拠になります。
送受信日時が見える形で保存しておきましょう。
3. 第三者の証言やメモも役立つ
共通の知人が事情を知っている場合、その証言も証拠の補強になります。
また、当時の会話をメモに残しておくだけでも信頼性が高まります。
Q: 返済を求めるLINEを送っても既読無視…どうすれば?
A: 既読無視の状態が続くなら、内容証明を出しましょう。
正式な書面はSNSよりも法的効果が高く、相手の態度が変わるきっかけになります。
内容証明を送った後の流れ
1. 相手の反応を待つ(1〜2週間)
内容証明を受け取った相手が動くかどうかを見極めましょう。
支払いの意思がある場合は、分割や猶予の相談をしてくることもあります。
2. 反応がない場合は「支払督促」または「少額訴訟」
少額(60万円以下)なら、簡易裁判所の「少額訴訟制度」が有効です。
手続きが簡単で、弁護士を立てずに進めることも可能です。
3. 相手の財産が分かっているなら「差押え」も視野に
給与や預金の情報がある場合は、判決後に差押えを行うこともできます。
そのためにも、最初の段階から相手の勤務先や口座情報を控えておくことが大切です。
内容証明 → 反応待ち → 調停・訴訟 → 回収・差押え
焦らず段階を踏むことが、最終的に回収成功へつながります。
内容証明を作成するときの注意点
1. 嘘や誇張を書かない
虚偽の内容を書くと、逆に名誉毀損などでトラブルになる恐れがあります。
事実のみに基づいて書きましょう。
2. 感情を抑えて冷静に
「怒りの手紙」は説得力を失います。
専門的な語調で、「要求内容」と「根拠」を簡潔にまとめることが重要です。
3. 書面作成は専門家に相談も検討
行政書士や弁護士に依頼すれば、法的に通用する文章に仕上げられます。
特に金額や法的根拠を正確に記載したい場合はプロに相談を。
Q: 行政書士に依頼したら費用はいくらぐらい?
A: 内容証明1通あたり1〜3万円程度が目安です。
文案作成・法的チェック・送付手続きまで代行してもらえます。
まとめ:借用書がなくても、行動すればお金は取り戻せる
借用書がなくても、証拠を整理し、内容証明で意思を示せば返還を促すことは十分可能です。
大切なのは、諦めずに「正式な手続きを踏む」こと。
感情に流されず、冷静に、そして確実に一歩ずつ進めましょう。
あなたの行動が、貸したお金を取り戻す第一歩になります。