LINEのスクショって証拠になる?結論と基本的な考え方
いまや、友人との会話だけでなく、 お金の貸し借り・退職の連絡・交際や同棲の解消・契約の確認まで、 あらゆる大事なやり取りがLINEで行われています。
では、そのLINEの画面をスクリーンショット(以下「スクショ」)したものは、 法的な場面で「証拠」として通用するのでしょうか?
結論から言うと、LINEのスクショは証拠として使われることが多く、裁判所でも採用された例があります。
ただし、「本当に相手が送ったものなのか」「改ざんされていないか」という点が問題になることがあるため、
撮り方・残し方には注意が必要です。
- LINEのスクショが証拠として認められる条件
- スクショの撮り方・残し方の注意点
- 内容証明でLINEのやり取りをどう活かすか
- 行政書士に依頼するメリット
LINEのスクショは証拠になるのか?
日本の裁判実務では、証拠の形式に厳格な制限はなく、
裁判官が「信用できる」と判断すれば、LINEスクショも証拠として採用されることが多いです。
ただし、画像データは簡単に加工できてしまうため、 相手側から
- 「その画面、本当に自分とのやり取りか?」
- 「一部を切り抜いて都合よく編集しているのでは?」
と疑われる可能性があります。
スクショの信頼性を高めるポイント
次のような工夫をしておくと、証拠としての信用度が上がります。
- 重要な部分だけでなく、やり取りの前後を含めて複数枚キャプチャする
- 日時・相手の名前・アイコン・グループ名などが分かるように撮る
- トリミングや加工をした画像とは別に、「一切加工していないオリジナル」を保存しておく
- 可能であれば、トーク履歴のエクスポート(テキスト出力)やバックアップも取っておく
LINEのスクショを証拠にする時の注意点
① やり取りの一部だけ切り取らない
自分に有利なメッセージだけを切り取ると、
相手から「その前後では全く違う話をしている」と反論されるリスクがあります。
前後の流れが分かる状態で保存しておくことが大切です。
② 相手のアカウントであることが分かるようにする
LINE名がニックネームや絵文字だけだと、「本当にこの相手なのか?」と争われることがあります。
プロフィール画像や、トーク一覧画面、電話番号・IDなど、相手と結びつく情報もあわせて残しておくと安心です。
③ オリジナルデータを必ず保管しておく
裁判所や相手方から「元データの提出」を求められる場合があります。
編集したスクショだけでなく、撮影直後そのままの画像ファイルも残しておきましょう。
④ LINE以外の証拠も併せて揃える
LINEのスクショだけでなく、
- 銀行振込の記録
- メールやSMSのやり取り
- 契約書・申込書
- 手書きのメモ・領収書
など、複数の証拠を組み合わせるほど説得力が増します。
内容証明にLINEスクショを活用する方法
内容証明郵便は、「いつ・誰が・どの内容で通知を出したか」を証明するための制度です。
基本は文章ですが、LINEのやり取りを前提にした内容証明を作成することもよくあります。
たとえば、次のようなケースです。
- LINEで「〇月末までに返す」と約束していたのに支払われない → 返済請求の内容証明
- 交際解消・同棲解消の条件をLINEでやり取りしていた → 費用精算・慰謝料請求の内容証明
- 退職の意思をLINEで伝えた → 退職日や給与精算を確認する内容証明
内容証明に落とし込むときの基本構成
LINEの全文をそのまま貼り付けるのではなく、 次のような流れで「事実を整理して文章化」します。
- いつ・誰と・どのようなLINEのやり取りがあったかを事実として説明する
- そのLINEでどのような約束・合意・発言があったかを要約する
- それを前提として、今何を求めるのか(返金・支払い・解消・謝罪など)を明確に書く
内容証明の本文には、
「別紙のLINEのやり取りにあるとおり、貴殿は〇年〇月〇日、◯◯の支払い義務を認めています。」
などと書き、LINEはあくまで「事実の根拠」として位置づけるのがポイントです。
LINEを証拠にしたい具体的なケース
実務では、次のようなLINEが問題になることが多いです。
- お金の貸し借り: 「〇月までに返す」「利息はいらない」などのメッセージ
- 婚約・同棲・交際の解消: 別れ話の経緯、慰謝料や費用負担についてのやり取り
- パワハラ・セクハラ・嫌がらせ: 明らかに不適切なメッセージやスタンプ
- 退職・契約解除: 退職日の合意や条件、契約終了の確認
- 納期・支払い約束: 「〇日までに納品します」「来週中に振り込みます」など
証拠として活かすときのポイント
- スクショは時系列順に整理しておく
- 重要部分だけでなく、前後の会話も保存しておく
- 相手の発言と自分の返信がセットで分かるようにする
- 必要に応じて、トーク履歴のテキスト出力やPDF保存も行う
LINEトラブルで行政書士に依頼するメリット
「LINEは取れているけど、これをどう文章にしていいか分からない」 ——というご相談は非常に多いです。
行政書士に依頼することで、次のようなサポートが受けられます。
- LINEスクショ・トーク履歴の整理(重要部分のピックアップ)
- 事実経過の時系列整理と、内容証明への落とし込み
- 感情的な文章ではなく、法的に説得力のある表現への言い換え
- 今後、裁判や示談になったときにも説明しやすい形で文書化
A: もちろん可能です。
事前にスクショやトーク履歴を共有いただければ、証拠として使える部分を整理しながら、最適な内容証明を一緒に作成していきます。
まとめ:LINEは「現代の証拠」として非常に重要
- LINEのスクショは、適切に撮影・保存すれば十分に証拠として使える
- やり取りの前後を含めて残し、オリジナルデータも保管しておくことが大切
- 内容証明では、LINEの全文ではなく事実を整理して文章にすることがポイント
- 迷ったら、一度専門家に「このLINEでどこまで主張できるか」を相談するのが安心
LINEは、あなたが不利な立場に追い込まれたとき、
自分を守るための非常に強力な証拠になり得ます。
「こんなLINEでも証拠になるのかな?」という段階でも、早めに相談しておくことで、
後悔のない一手を打つことができます。




