「裏切られた私」婚約破棄慰謝料請求、いくら請求できる?相場と交渉術

「裏切られた私」婚約破棄慰謝料請求、いくら請求できる?相場と交渉術
「結婚を約束していたのに、一方的に裏切られた」――婚約破棄は人生に深い傷を残します。怒りや悲しみと同時に、「この損害をどう償ってもらうのか」と悩む方も多いでしょう。この記事では、婚約破棄の慰謝料請求の相場と、実際にどう交渉を進めるべきかを専門家の視点から解説します。
婚約破棄で慰謝料請求が認められる条件
そもそも「婚約」とは?
婚約は口約束だけでなく、結納・両親への挨拶・結婚式場の予約・同棲などによって事実上成立します。法的には「婚約=将来の結婚に向けた契約」とされ、破棄が正当な理由なく行われた場合は慰謝料の対象となります。
慰謝料が発生する典型的なケース
- 相手の浮気・不貞行為による破棄
- 一方的な心変わり(「気持ちが冷めた」など)
- 暴力・モラハラなどの不当行為
- 第三者(親など)からの不当な干渉による破談
正当な理由(例:相手の借金隠し、犯罪歴など)がある場合は慰謝料が認められにくいので注意が必要です。
慰謝料の相場はいくら?
一般的な金額帯
婚約破棄の慰謝料は50万円〜300万円程度が相場です。裁判例でもこの範囲での認定が多く見られます。
金額を左右する要素
- 交際期間・婚約期間の長さ
- 結婚準備にどれだけ投資していたか(式場予約金、ドレス代など)
- 破棄の原因(浮気・不倫は高額になりやすい)
- 社会的影響(親族や職場に知られた、精神的苦痛が大きい場合など)
ケース別の目安
- 浮気が原因 → 200万円前後
- 一方的な心変わり → 100万円前後
- 結婚準備に大きな支出があった → 実費+慰謝料で300万円近く
「いくらでも請求できる」わけではなく、裁判例の積み重ねをもとに金額が決まります。感情よりも「合理的根拠」が重要です。
慰謝料請求の方法と流れ
1. まずは証拠を集める
浮気の証拠(LINEのやりとり、写真)、婚約の証拠(結納、婚約指輪、式場予約)などを確保しましょう。
2. 内容証明郵便で請求する
感情的に口頭で要求するのではなく、内容証明郵便で正式に請求を行うのが一般的です。これにより「いつ、どんな請求をしたか」が法的に残ります。
3. 交渉で解決できる場合が多い
婚約破棄慰謝料は、多くの場合「裁判前の交渉」で解決します。弁護士や行政書士が作成した請求書であれば、相手も無視できません。
4. どうしても合意できない場合は裁判
最終的に相手が支払いを拒む場合、調停や裁判に移行することになります。ただし費用や時間の負担も大きいため、まずは交渉段階での解決を目指しましょう。
交渉を有利に進めるための実践ポイント
感情ではなく数字と事実で
「裏切られた」という気持ちは当然ですが、請求では「支出の明細」「破棄の理由」「精神的苦痛の程度」を冷静に示すことが重要です。
交渉文書は専門家に任せる
相手が強気に出る場合でも、専門家の文書には抑止効果があります。特に内容証明は交渉のスタートとして有効です。
「相場」を理解して提示する
相手もインターネットなどで調べている可能性があります。相場を踏まえた金額提示は現実的な解決につながります。
Q. 相手が「お金がない」と言ってきたら?
A. 分割払いの提案や、公正証書で支払いを確実にする方法があります。全額を即金で得るのが難しい場合でも、現実的な解決を探りましょう。
よくある失敗例と回避法
感情的になってしまう
怒りにまかせて「法外な金額」を請求すると、逆に交渉が長期化します。冷静に「根拠のある金額」を示すことが肝心です。
証拠が不十分
「婚約していた」という証明がなければ、慰謝料請求は困難です。LINEのスクショや親族の証言も有効になります。
時効を過ぎてしまう
慰謝料請求には原則3年の時効があります。破棄から時間が経つほど証拠も薄れるため、早めの対応が必要です。
まとめ:裏切られたあなたが取るべき行動
- 慰謝料の相場は50万〜300万円程度
- 証拠を集め、内容証明で請求する
- 交渉での解決が現実的
- 感情よりも「根拠と数字」で動く
婚約破棄は深い心の傷を残します。しかし慰謝料請求は「復讐」ではなく「自分の人生を取り戻す手段」です。感情を整理し、適切な金額を冷静に請求することが、前に進むための第一歩になります。