オリンポス債権回収の「法的措置予告」は無視OK?昔の借金(武富士等)を時効で消す方法

北海道にある「オリンポス債権回収株式会社」という会社から、突然ハガキや封書が届いて、このページに辿り着いたあなたへ。

おそらく、手元にあるのは「真っ赤な封筒」「法的措置予告通知書」といった、見るからに物々しい書類ではないでしょうか。
中には、「和解提案書」として、大幅な減額を提示する書類が入っているかもしれません。

「聞いたこともない会社だ。詐欺かもしれないから無視しよう」
「裁判なんて書いてある……怖くて眠れない」
「減額してくれるなら、電話して相談してみようかな」

今、あなたの頭の中には様々な選択肢が浮かんでいると思いますが、行政書士として、最初に最も重要な警告をお伝えします。

その通知、無視をするのは危険ですが、電話をかけるのは「もっと危険」です。

なぜなら、オリンポス債権回収からの通知は、10年以上前の「忘れかけていた借金」を、合法的に消滅させる(チャラにする)ためのラストチャンスかもしれないからです。
しかし、対応を一歩間違えれば、そのチャンスは永遠に失われます。

この記事では、内容証明郵便と時効援用を専門とする行政書士が、オリンポス債権回収の正体と、裁判を回避して借金を解決するための「唯一の正攻法」を徹底解説します。

オリンポス債権回収とは?(武富士・CFJの亡霊)

まずは相手の正体を知り、冷静になりましょう。
「北海道の会社なんて知らない」「自分は東京に住んでいるのに」と不審に思う方も多いですが、オリンポス債権回収は、架空請求業者ではありません。

法務大臣の許可(第99号)を受けた、正規の「債権回収会社(サービサー)」です。

なぜ、借りた覚えのない会社から届くのか

債権回収会社とは、銀行や消費者金融から「不良債権(返済が滞っている借金)」を買い取ったり、回収業務の委託を受けたりして、代わりに請求を行うプロフェッショナルです。

オリンポス債権回収の特徴は、「非常に古い借金」「すでに破綻・撤退した貸金業者」の債権を多く扱っている点にあります。
具体的には、以下の業者を利用した記憶はありませんか?

  • 武富士(更生会社TFKなどから債権譲渡)
  • アプラス(車のローンやショッピングクレジット)
  • CFJ(ディック、アイク、ユニマットレディース)
  • ニッシン(NISグループ)
  • ラックスキャピタル

特に多いのが「武富士」です。
かつて一世を風靡した武富士ですが、倒産や事業譲渡を経て、その未払い債権が巡り巡ってオリンポス債権回収へと渡っているケースが非常に多いのです。

「真っ赤な封筒」と「法的措置予告」の心理的圧力

オリンポス債権回収の督促手法は、業界内でも「強烈」であることで知られています。
心理的な圧力をかけるために、あえて真っ赤な色の封筒を使ったり、以下のような強い言葉が並ぶタイトルの通知書を送ってきたりします。

  • 「法的措置予告通知書」
  • 「債権譲渡及び債権譲受通知」
  • 「訪問予告通知」
  • 「和解提案書」

これらはすべて、「あなたを怖がらせて、電話をかけさせる」ためのテクニックです。

「無視」をおすすめしない理由(支払督促のリスク)

「どうせ古い借金だし、脅しているだけだろう」と高を括って無視を決め込むのは、大変危険です。
オリンポス債権回収は、単に手紙を送ってくるだけでなく、実際に裁判所の手続きを積極的に行ってくる業者だからです。

簡易裁判所からの「支払督促」に注意

通知を無視し続けていると、ある日突然、裁判所(主に北海道の簡易裁判所)から「特別送達」という封筒が届くことがあります。
これが「支払督促(しはらいとくそく)」です。

支払督促とは、書類審査だけで「お金を払いなさい」という命令が出る、簡易的な裁判手続きです。
もし、裁判所からの通知まで無視してしまうと、相手の言い分が100%認められ、「仮執行宣言付支払督促」という強力な権利が確定してしまいます。

無視の代償は「給料・口座の差し押さえ」

判決(または仮執行宣言)が確定すると、オリンポス債権回収はいつでもあなたの財産を差し押さえることができます。

  • 給与の差し押さえ:勤務先に通知が届き、手取りの4分の1が強制的に引かれます。会社に借金がバレ、居場所がなくなります。
  • 銀行口座の凍結:預金口座から勝手にお金が引き落とされ、生活費が枯渇します。

たとえ15年前の借金であっても、法的手続きを取られれば、現在の生活が破壊されてしまうのです。
だからこそ、「無視」ではなく、裁判になる前に「正しい対処」をする必要があります。

絶対に電話してはいけない「和解提案」の罠

では、どう対処すればいいのでしょうか。
ここで多くの方がやってしまう最悪の行動が、「通知書に書かれている電話番号に連絡すること」です。

「元金を減額します」という甘い誘惑

オリンポス債権回収からの手紙には、「和解提案書」といった書類が入っていることがあります。
そこには、驚くような条件が書かれています。

「本来の遅延損害金を含めると300万円ですが、今月中に連絡をいただければ、元金の50万円だけで解決とします」
「一括が難しければ、月々3,000円からの分割払いでも相談に応じます」

お金に困っている方にとって、これは救いの手に見えるかもしれません。
しかし、これは「時効を成立させないための罠」です。

電話一本で「時効」は吹き飛ぶ

日本の法律では、どんなに古い借金でも、債務者が「借金があることを認める言動(債務の承認)」をすると、その瞬間に時効期間がリセットされるルールになっています。

もしあなたが電話をして、以下のような会話をしたらどうなるでしょうか。

  • 「分割なら払えます」
  • 「少し待ってください」
  • 「生活が苦しいので、減額してください」

これはすべて「債務の承認」になります。
相手は通話を録音していますから、その証拠をもとに「あなたは支払うと言いましたよね?」と迫ってきます。
こうなると、本来なら1円も払わずに済んだはずの借金が完全復活し、もう時効を主張することはできなくなります。

相手は回収のプロです。
あなたが電話をかけてくるのを、手薬煉引いて待っているのです。
絶対に、自分から連絡してはいけません。

昔の借金を消す「時効援用」という最強の対抗策

オリンポス債権回収への正しい対処法。
それは、電話をすることでも、無視することでもなく、「消滅時効の援用(しょうめつじこうのえんよう)」を行うことです。

借金をゼロにする条件とは

消費者金融やクレジット会社からの借金は、以下の条件を満たしていれば、法的に支払い義務を消滅させることができます。

  1. 最後の返済(または期限の利益喪失日)から5年以上が経過している。
    ※過去に裁判を起こされている場合は、判決確定から10年以上。
  2. 「時効なので支払いません」という意思表示(援用)を行う。

オリンポス債権回収が扱っている債権(武富士やCFJなど)は、10年〜20年以上前のものが大半です。
つまり、時効の条件を満たしている可能性が極めて高いのです。

時効援用は「内容証明郵便」で行うのが鉄則

時効の制度を使うには、相手に対して「時効を援用します」と通知しなければなりません。
これを電話で伝えるのはご法度です(言った言わないの水掛け論になるため)。

必ず「内容証明郵便(配達証明付き)」を利用します。
内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に、どんな内容の手紙を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれるサービスです。

これにより、オリンポス債権回収に対して確実な証拠を残しつつ、時効を成立させることができます。
手続きが成功すれば、数百万円の請求であっても、支払い義務は「ゼロ」になります。

自分が時効かどうかわからない時は?

「確かに10年以上前の借金だと思うけど、記憶が曖昧だ」
「昔、裁判所から手紙が来たような気もする……」

このように確信が持てない状態で、いきなり内容証明郵便を送るのはリスクがあります。
これを「藪蛇(やぶへび)」と言います。
もし過去10年以内に裁判を起こされていた場合、内容証明を送ることで「ここに住んでいます」と居場所を教えることになり、逆に差し押さえのリスクが高まるからです。

証拠(CICデータ)を確認するのが最優先

記憶に頼るのは危険です。
客観的な証拠を確認するために、信用情報機関(CIC・JICC)のデータを開示請求しましょう。

オリンポス債権回収そのものは信用情報機関に加盟していませんが、元々の債権者(アプラスやCFJなど)の情報が残っている場合があります。
また、JICCの「ファイルM」などに、債権譲渡の記録や、過去の延滞発生日が記載されていることもあります。

  • 「延滞発生日」はいつか?
  • 「債務名義(裁判の判決など)」の記録はないか?

これらを確認し、5年(または10年)が経過していることを裏付けてから内容証明を送るのが、プロのやり方です。

【重要】裁判を起こされたか覚えていない方へ

オリンポス債権回収は、過去に裁判を起こして時効を10年に延長しているケースが多々あります。
記憶が曖昧なまま手続きを進めるのは危険です。
まずは信用情報(CIC/JICC)を確認し、「判決などの記録」が残っていないか調べましょう。

しかし、中には「携帯が止まっていて、SMS認証が必要なCICのネット開示ができない」という方や、「開示報告書の見方が専門的すぎてわからない」という方もいらっしゃいます。

そのような方は、当事務所提携の【開示サポートサービス】をご利用ください。
電話番号不要で、専門家があなたの信用情報を調査・診断します。

まとめ:オリンポスからの通知は「内容証明」で撃退!

オリンポス債権回収からの「法的措置予告」は、恐怖を感じるものです。
しかし、冷静に対応すれば、長年の借金生活を終わらせるチャンスに変えることができます。

最後にポイントを整理します。

  1. オリンポス債権回収は、裁判も辞さない強力な回収業者。放置は差し押さえの元。
  2. 記載された番号に電話をしてはいけない。1円でも払う約束をしたら時効は消滅する。
  3. 5年以上(判決があれば10年)経過していれば、内容証明による「時効援用」で解決できる。
  4. 裁判履歴が不明な場合は、必ずCIC/JICCを確認してから動く。

「自分で内容証明を書く自信がない」「もし失敗したらどうしよう」
そう不安に思う方は、ぜひ行政書士にご相談ください。

行政書士に依頼すれば、法的に不備のない完璧な「時効援用通知書」を作成・発送できます。
また、専門家の名前で通知を送ることで、相手に対する牽制にもなり、スムーズな解決が期待できます。

10年前の亡霊に怯える日々は、もう終わりにしましょう。
あなたの「借金ゼロ」への再出発を、私たちが全力でサポートいたします。

内容証明サポート・料金プラン一覧

ご自身で試したい方から、住所を知られたくない方まで。
目的とご予算に合わせてお選びいただけます。

【無料テンプレート】
基本フォーマット
¥0
まずはお試し・情報収集に
  • 一般的な内容証明の基本書式
  • 差出人・相手方情報の記入欄付き
【行政書士による完全サポート】
作成+発送代行プラン
¥19,800
何も書けない方・忙しい方向け
  • WEBヒアリングで詳細をお伺い
  • 行政書士が全文作成・修正1回無料
  • 内容証明+配達証明を差出人名義で発送代行
【速攻作成・速達プラン】
行政書士名で代理通知&速達
¥29,800
期限が迫り緊急性の高い方に
  • 差出人名を「クロフネ行政書士事務所」として発送
  • 相手方に本人の住所・氏名を開示せず通知
  • 証拠を残す配達証明付き内容証明で発送
  • 急ぎの依頼に優先作成&速達で手配

執筆者情報

執筆者の顔写真

深沢文敏

内容証明専門家・行政書士

行政書士登録番号:第14130403号

一部上場企業を退職し独立、事務所を開設。内容証明郵便の作成支援において10年以上の実績を持ち、年間200件以上の相談に対応。特に男女関係、金銭トラブル、契約解除などビジネス法務に関する内容証明作成を得意とする。素早い対応と分かりやすい説明そして的確なアドバイスで、多くの依頼者の悩みを解決に導いている。

→ 深沢文敏のプロフィール詳細を見る

参考資料・情報源

本記事の執筆にあたり、以下の公的機関、法令、および公的サービスの情報を参照しています。法的手続きの詳細や最新の運用については、各公式サイトをご確認ください。

  • 法務省:民法(債権法)改正について
    2020年4月の民法改正により、消滅時効の期間(原則5年)に関するルールが変更されています。借入時期によって適用される法律が異なるため、公的な解説を確認することが重要です。
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
  • e-Gov法令検索:民法(第145条 時効の援用)
    「時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」と定めた条文です。通知書を送る法的根拠となります。
    https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
  • 日本郵便:内容証明
    時効援用通知書を送付する際の標準的な手段である「内容証明郵便」の利用方法、および「配達証明」のオプションについて解説されています。
    https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
    指定信用情報機関です。自身の借入状況や「最後の入金日(延滞発生日)」を正確に把握するために、信用情報の開示請求を行う際の窓口となります。
    https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
  • 法テラス(日本司法支援センター)
    「裁判を起こされている場合」や「時効期間が過ぎているか判断できない場合」など、自己判断が危険なケースでの無料法律相談窓口です。
    https://www.houterasu.or.jp/

※本記事は、上記の法令、公的機関の情報、専門書籍等を参考に執筆されていますが、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。具体的な問題については、専門家にご相談ください。