元恋人からの「ストーカー行為」と金銭トラブルが複合した場合の対処法

元恋人からの「ストーカー行為」と金銭トラブルが複合した場合の対処法
はじめに:複合トラブルの危険性
元恋人との別れの後、「しつこい連絡」や「つきまとい」といったストーカー行為に加え、「貸したお金を返してもらえない」「生活費を騙し取られた」などの金銭トラブルが同時に発生するケースがあります。どちらか一方だけでも深刻ですが、両者が複合すると精神的負担も法的リスクも大きくなります。本記事では、この複合トラブルに直面したときの具体的な対処法を解説します。
ストーカー行為と金銭トラブルの典型的な事例
よくあるストーカー行為の実態
- 一日に何十件もの電話・メッセージ
- 自宅や勤務先周辺での待ち伏せ
- SNSでの監視や嫌がらせ投稿
金銭トラブルの典型例
- 同棲中に立て替えた生活費を返してもらえない
- 「起業資金」「治療費」などの名目で借り逃げ
- 高額なプレゼント購入代金の肩代わりを要求
まず優先すべきこと:身の安全の確保
警察への相談
ストーカー規制法や軽犯罪法に基づき、警察は被害者の安全確保に介入できます。ストーカーと金銭トラブルを分けて考えず、まずは「命と生活の安全」を優先してください。
証拠の保存
メッセージ履歴、通話記録、防犯カメラ映像などは、のちの刑事・民事手続きで重要になります。「しつこいLINE」や「お金を返さない旨の発言」は必ずスクリーンショットで保存しましょう。
金銭トラブルへの法的対処
内容証明郵便の活用
貸金返還請求や不当利得返還請求を行う際は、まず内容証明郵便で返済を求めることが有効です。ストーカー行為と絡んでいる場合も、金銭面は文書で明確に区切ることで交渉がスムーズになります。
民事訴訟や支払督促
返済がない場合、少額訴訟や通常訴訟で法的に返還を求めることが可能です。ストーカー行為で接触が危険な場合、代理人(弁護士・司法書士)を通すことで直接やり取りを避けられます。
ストーカー行為への法的対処
警察の警告と禁止命令
ストーカー規制法では、警察からの警告や、裁判所を通じた接近禁止命令を求めることができます。命令違反は刑事罰の対象となり、実効性が高い手段です。
刑事告訴
つきまといや脅迫がエスカレートしている場合は、迷わず刑事告訴を検討してください。刑事事件として立件されれば、加害者に接触を断つ強制力が働きます。
複合問題に取り組む際の注意点
感情的なやり取りを避ける
相手に「返済を求めたい」「関わりを断ちたい」という両方の思いがあると、つい感情的に応酬してしまいがちです。しかし、感情的な反応はストーカーを刺激し、状況を悪化させます。必ず文書・代理人を通じて対応しましょう。
法的問題を切り分けて進める
「ストーカー行為」と「金銭トラブル」は同じ人物によるものでも、法的には別の問題です。警察→ストーカー、裁判所→金銭トラブルというように、管轄を分けて動くのがポイントです。
生活防衛のためにできること
住所・連絡先の管理
住民票の閲覧制限制度や、携帯番号変更を検討しましょう。SNSの公開範囲を制限することも大切です。
第三者のサポートを得る
一人で抱え込むと精神的に追い詰められます。家族や友人に状況を共有し、万一の際に助けてもらえる体制を整えましょう。
行政書士・弁護士に相談するメリット
Q. 行政書士はどこまで対応できる?
A. 内容証明郵便の作成、証拠整理、相談支援などが可能です。金銭トラブルにおける書面対応の初期段階は行政書士が有効です。
Q. 弁護士に依頼すべき場面は?
A. 裁判所への訴訟提起や接近禁止命令の申立て、刑事告訴代理などは弁護士の権限です。ストーカー行為がエスカレートしている場合は弁護士依頼を優先してください。
まとめ
元恋人からのストーカー行為と金銭トラブルが複合すると、精神的にも生活的にも大きなダメージを受けます。重要なのは、安全を最優先にしつつ、ストーカー行為と金銭トラブルを切り分けて法的対応を進めることです。行政書士や弁護士、そして警察や裁判所といった公的機関を適切に活用し、冷静に問題解決へ進みましょう。