長年連れ添ったのに“0円”?内縁関係と相続のリアル
「夫婦同然に暮らしているから安心」──それは大きな誤解かもしれません。
日本の法律では、入籍していないパートナー(内縁の配偶者)に相続権はありません。
一緒に住み、生活を支え合い、看取ったとしても、財産を自動的に受け取ることはできないのが現実です。

事実婚には相続権がない理由とは?
民法では、「配偶者」は法律上の婚姻(戸籍上の届け出)が必要です。
そのため、事実婚や内縁関係のパートナーは、相続人として認められません。
子どもや兄弟姉妹がいれば、すべての財産がそちらに渡ることになります。
実際の事例:20年連れ添ったのに何も残らなかった
女性Aさんは、20年間パートナーと事実婚で生活。家も生活費も共有し、病気の看護もしてきました。
しかし、パートナーが急死。遺言がなかったため、すべての財産がパートナーの兄弟に相続され、 Aさんは住んでいた家から退去せざるを得ませんでした。
内縁のパートナーを守るための4つの備え
- ① 遺言書の作成:法定相続人でない人に財産を渡せる唯一の手段
- ② 生前贈与:元気なうちに所有権を移すことでトラブルを回避
- ③ 信託契約:財産管理や死後の引継ぎを契約で確実に
- ④ 死後事務委任契約:葬儀・納骨・役所手続きをお願いできる
特に遺言書は、「内縁関係にある人への財産分配」を唯一保障する方法として重要です。