ブラック相続シリーズ

長男が全部持っていった…偏った相続・話し合いなし
「家族だから分かり合える」は幻想だった
「相続のことは兄に任せてあるから」と安心していたら、いつの間にか遺産はすべて長男の手に…。 実際にあった相談の中には、「話し合いもなく、長男が全ての財産を自分の名義にしていた」という衝撃のケースが数多く存在します。
相続とは、本来、残された家族が協力し合って進めるもの。しかし現実には、「実家を継ぐ長男が全てを相続するのが当然」といった価値観が、 家族間に大きな亀裂を生む原因になっているのです。
兄が主導した“遺産分割協議”の落とし穴
ある相談者は、母親の死後、兄に「印鑑を押すだけでいい」と言われ、何の説明もないまま署名・押印を求められました。 実際に確認すると、その書類は「相続財産をすべて兄に譲渡する」という内容の遺産分割協議書だったのです。
「信じていた兄に裏切られた気分です…」と語る妹さん。話し合いの場も設けられず、何も知らないまま権利を放棄させられるようなやり方に、 憤りとショックを隠せませんでした。
相続は“話し合い”が基本!でも実際には…
民法では、相続人全員の合意のもとに遺産分割を進めることが原則とされています。 しかし、実際には知識のない相続人が主導権を握ると、他の相続人は十分な情報も得られないまま、流されてしまうことも少なくありません。
特に、高齢の両親が亡くなった後、実家の土地・建物などの名義を「長男にまとめる」といった提案がされやすい傾向があります。 その際に、「税金対策」や「今後の管理のため」といった理由を掲げて、他の相続人を納得させようとするケースも。
専門家を交えることで冷静な話し合いに
感情が入りやすい家族間の相続話は、時にトラブルに発展しがちです。 だからこそ、第三者である専門家(行政書士・弁護士など)を交えることで、冷静かつ公平な話し合いが可能になります。
特に「既に兄に全財産を渡してしまったが納得できない」「押印した書類が有効なのか分からない」といった場合でも、 状況を整理し、対処の道を探ることは十分に可能です。
「泣き寝入り」する前に、まず相談を
「もう決まったことだから…」と諦める前に、一度ご相談ください。 相続の専門家は、遺産分割協議書の内容確認や修正、無効主張の検討など、様々な場面でお力になれます。
また、今後の相続で同じようなトラブルを避けるためにも、生前の段階から「遺言書の作成」や「話し合いの記録化」などの準備を進めることが大切です。
