「相手に内容証明郵便を送ったら、やっと連絡が来た!」
「支払いに応じると言ってもらえた!」
まずは、本当にお疲れ様でした。勇気を出して内容証明を送付したことで、膠着していた事態が動き出したのですね。眠れない夜を過ごされたこともあったかと思いますが、解決への第一歩を踏み出せたことに、専門家として心から敬意を表します。
しかし、ここで水を差すようで心苦しいのですが、「安心するのはまだ早い」ということをお伝えしなければなりません。
相手が口頭やLINEで「わかった、払うよ」と言ったとしても、それはあくまで「現時点での約束」に過ぎません。トラブル解決の現場において、この段階は「山の五合目」です。
ここから確実にゴール(解決・回収)へたどり着くためには、『示談書(合意書)』という強力な命綱が必要です。
今回は、内容証明郵便と民事法務に長年携わってきた行政書士の立場から、なぜ「内容証明 その後」に書面作成が不可欠なのか、その理由とリスク、そしてプロに任せるべきメリットについて、余すところなく解説します。
1. なぜ「口約束」や「LINEのスクショ」では危険なのか?
「相手も反省しているようだし、これ以上事を荒立てたくない」
「LINEで『払います』というメッセージが残っているから証拠になるはず」
このようにお考えの方は非常に多いです。確かに、法的には口頭の合意(諾成契約)でも契約は成立しますし、メールやLINEも証拠能力がないわけではありません。
しかし、実際のトラブル解決の現場では、これらだけではあまりにも脆弱なのです。具体的にどのようなリスクが潜んでいるのかを見ていきましょう。
リスク①:時間の経過とともに「支払う気」は薄れる
内容証明を受け取った直後の相手は、驚きや恐怖、「なんとかしなければ」という焦りを感じています。そのため、「すぐに支払います」と低姿勢になることが多いものです。
しかし、人間の感情は移ろいやすいものです。1ヶ月、2ヶ月と時間が経ち、喉元過ぎれば熱さを忘れるではありませんが、当初の危機感は薄れていきます。
特に分割払いのケースでは顕著です。最初の数回は支払われても、「今月はちょっと厳しいから」「あいつ(あなた)ともう関わりたくない」といった身勝手な理由で、支払いがストップするケースは枚挙にいとまがありません。
リスク②:「言った・言わない」の水掛け論が再燃する
口頭での合意はもちろん、短いメッセージのやり取りだけでは、詳細な条件まで詰めきれていないことがほとんどです。
- 「全額払うとは言ったが、利息まで払うとは言っていない」
- 「来月末までに払うと言ったが、一括とは言っていない」
- 「払う代わりに、あの条件を飲んでもらうつもりだった」
このように、後から自分に都合の良い解釈を主張され、再びトラブルの泥沼に引きずり込まれる可能性があります。曖昧な合意は、新たな火種を生む温床となってしまうのです。
リスク③:法的な強制力が弱い
もし相手が約束を破った場合、しっかりとした契約書(示談書・合意書)がなければ、裁判を起こして勝訴判決を得るためのハードルが上がります。「確かにそのような合意があった」ということを、あなたが立証しなければならないからです。
LINEのスクリーンショットなどは証拠の一つにはなりますが、前後の文脈や、相手のアカウントの本人性など、反論される余地が残ることもあります。「法的妥当性の高い書面」に勝る証拠はありません。
2. 「示談書・合意書」を作成する3つの絶対的メリット
では、きちんとした書面を取り交わすことで、どのような効果が得られるのでしょうか。それは単なる「紙切れ」ではなく、あなたの未来を守る「盾」となります。
① 心理的な強制力(プレッシャー)の維持
人は、口で言っただけの約束よりも、署名・捺印(特に実印)をした書面に対して、重い責任を感じる生き物です。
「契約書を交わした」という事実そのものが、相手に対して「逃げられない」「約束を守らなければ大変なことになる」という心理的な圧力を与え続けます。これにより、支払いや約束の履行率が格段に向上します。
② 将来の紛争を封じ込める「清算条項」
専門家が作成する示談書には、必ずと言っていいほど「清算条項」というものを入れます。
これは、「本件に関しては、この書面に書かれていること以外、お互いに一切の債権債務がないことを確認する」という文言です。
これを入れておくことで、後になって相手から「やっぱりあの時の慰謝料を返せ」とか「実はこっちにも言い分があった」といった蒸し返しをされることを法的に防ぐことができます。トラブルを「完全に終わらせる」ために不可欠な条項です。
③ 支払いが遅れた時の「ペナルティ」を明確化できる
口約束では決めにくいのが「もし約束を破ったらどうするか」というペナルティです。
示談書であれば、以下のような強力な条項を盛り込むことが可能です。
- 期限の利益喪失約款:「分割払いを1回でも(あるいは2回)怠ったら、残額を一括で直ちに支払わなければならない」という条項。
- 遅延損害金:支払いが遅れた期間の利息(損害金)を年利○%で加算する。
これらの条項があることで、相手は「遅れたら損をする」「一括請求されたら困る」と考え、支払いを優先順位の上に置くようになります。
3. 「示談書」と「合意書」の違いとは?
ここでよく頂く質問について触れておきます。「示談書」と「合意書」、あるいは「覚書」は何が違うのでしょうか?
結論から申し上げますと、法的な効力(エビデンスとしての強さ)に大きな違いはありません。
- 示談書:主に不法行為(交通事故、不倫、暴行、器物破損など)による損害賠償問題の解決時に使われることが多い名称です。「争いをやめる(示談)」というニュアンスが強くなります。
- 合意書:契約の解除や、離婚時の取り決め、金銭貸借の返済条件変更など、より広い範囲での「合意事項」をまとめたものに使われます。
- 覚書:合意書よりも簡易的なニュアンスで使われることがありますが、内容次第では立派な契約書と同じ効力を持ちます。
重要なのはタイトルではなく、「中身(条項)」がいかに不備なく、法的に有効かという点です。当事務所では、事案の性質や相手方との関係性に配慮し、最も適切なタイトルをご提案しています。
4. 行政書士に依頼するメリットと「予防法務」の重要性
最近ではインターネット上に「示談書のひな形(テンプレート)」がたくさん転がっています。「費用を浮かせたいから自分で作ろう」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ネット上のひな形はあくまで「一般的な例」に過ぎず、あなたの個別の事情(トラブルの経緯、相手の性格、支払能力、将来のリスク)までは反映されていません。
ここからは、私ども行政書士にご依頼いただくメリットを、具体的な「効力」と「費用」の観点から解説します。
メリット①:法的に無効な条項や「穴」を防ぐ
自分で作成した書面にありがちな失敗が、「法的に無効なことを書いてしまう」あるいは「肝心なことが抜けている」ケースです。
例えば、「支払いが遅れたら給料を差し押さえる」と示談書に書いても、それだけでは直ちに差し押さえはできません(強制執行には裁判所の判決や公正証書が必要です)。また、「警察には通報しない」という条項も、公序良俗違反として無効になる可能性があります。
プロである行政書士は、法律の範囲内で最大限に依頼者様の利益を守りつつ、「無効にならないギリギリのライン」を見極めて条項を作成します。
メリット②:第三者が介入することによる「厳格さ」の演出
当事者同士だけで作った手書きやワープロの書類よりも、行政書士の記名・職印が入った書面が登場することで、相手に与える印象は一変します。
「専門家が入っているなら、適当なことはできないな」「バックレたら法的手段を取られるかもしれない」という健全な緊張感を相手に与えることができます。
メリット③:公正証書への移行もスムーズ
金額が大きい場合や、支払いが長期の分割になる場合は、公証役場で作成する「公正証書」にすることをお勧めしています。
公正証書にし、「強制執行認諾文言」を入れておけば、万が一支払いが止まった際に、裁判をせずにいきなり相手の財産(給与や預金)を差し押さえることが可能になります。
行政書士は、この公正証書の原案作成(起案)や、公証人との事前打ち合わせの代行(嘱託代理)も得意としています。将来のリスクを徹底的に排除したい場合、このルートへの切り替えも迅速にサポートできます。
⚠️ ご注意:行政書士ができること・できないこと
行政書士は「書類作成のプロ」ですが、弁護士とは異なり、依頼者様の代理人として相手方と「交渉」することは法律で禁止されています(非弁行為)。
したがって、当事務所がサポートできるのは、以下のようなケースです。
- すでに相手と話し合いがつき、条件が大枠で決まっている場合。
- 相手がこちらの要求(内容証明の内容)を全面的に受け入れている場合。
- 決まった内容を、法的に不備のない書面に落とし込みたい場合。
もし、「まだ相手が揉めている」「減額交渉をされているので代わりに説得してほしい」という段階であれば、弁護士の先生に引き継ぐ必要があります(当事務所から提携弁護士の紹介も可能です)。
逆に言えば、「話はついているから、あとは書類にするだけ」という段階であれば、弁護士よりも安価な費用でスピーディーに対応できるのが行政書士の強みです。
5. 示談書作成サービスの流れと費用感
当事務所にご依頼いただいた場合の標準的な流れをご紹介します。全国対応可能ですので、遠方の方もお気軽にご相談ください。
Step 1:ヒアリング(無料相談)
まずは、どのようなトラブルがあり、相手とどのような条件で合意したのかをお聞かせください。メール、LINEで対応可能です。
※この段階で、内容証明郵便の控えがあればご提示いただくとスムーズです。
Step 2:ドラフト(原案)の作成・確認
ヒアリング内容を基に、法的な観点から最適な条項を盛り込んだ示談書・合意書の原案を作成します。通常、1〜3営業日以内にPDF等でお送りします。
「もっとこうしてほしい」「この条件も入れたい」という修正のご希望があれば、納得いくまで調整いたします。
Step 3:製本・納品
内容が確定しましたら、正式な書面として製本し、署名捺印をするだけの状態にして郵送(またはデータ納品)いたします。行政書士の職印を押印した「作成代理人」としての形式も可能です。
Step 4:署名・捺印による完成
届いた書面に、あなたと相手方が署名・捺印し、それぞれ1通ずつ保管します。これで手続きは完了です。
6. よくあるご質問(FAQ)
ここで、お客様からよくいただく質問をまとめました。不安解消の一助となれば幸いです。
Q. 相手が遠方に住んでいるのですが、郵送でやり取りしても大丈夫ですか?
A. はい、全く問題ありません。
対面で署名捺印するのがベストですが、遠方であったり、会いたくない事情があったりする場合は「持ち回り署名」という方法をとります。当事務所から郵送での取り交わし方法についても丁寧にアドバイスいたします。
Q. 示談書には印紙を貼る必要がありますか?
A. 内容によって異なります。
単に「事実を確認するだけ」の合意書や、慰謝料などの損害賠償金の支払いを約束する文書には、原則として収入印紙は不要です(非課税文書)。
ただし、借金の返済に関する「債務承認弁済契約」などの性質を持つ場合や、相殺の合意などが含まれる場合は課税文書となり、印紙が必要になることがあります。この点も含めて、専門家がチェックいたしますのでご安心ください。
Q. 相手に提示したら「こんな堅苦しい書類にする必要あるのか」と難色を示されました。
A. よくある反応ですが、ここが正念場です。
「お互いのためです」「後で言った言わないにならないよう、行政書士に入れてもらいました」と伝えてください。やましいことがなければ署名できるはずです。ここで署名を拒否するということは、逆に言えば「約束を破るつもりがある」という危険信号かもしれません。粘り強く書面化を求めるべきです。
Q. 自分で書いたメモ書きがあるのですが、これを清書してもらえますか?
A. もちろんです。
ご自身で作られたメモをベースに、法的な肉付けを行い、漏れがないかチェックする「リーガルチェック&リライト」も承っております。
7. 解決の証(あかし)を、確かな未来へ繋げましょう
トラブルの渦中にいるときは、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。内容証明郵便を送り、相手から反応があった今、あなたは長いトンネルの出口の光を見た状態です。
しかし、ゴールテープを切るその瞬間まで、気を抜いてはいけません。
「終わりよければ全てよし」と言いますが、逆に言えば「終わり方が中途半端だと、全てが水泡に帰す」こともあります。
せっかく勝ち取った「解決」や「支払い」の約束を、ただの口約束で終わらせてしまい、数カ月後にまた悔しい思いをする……そんな悲しい結末を、私は一件でも減らしたいと願っています。
示談書・合意書の作成は、決して相手を疑って攻撃するものではありません。
お互いが気持ちよく新しいスタートを切るための「区切り」であり、あなたの平穏な日常を守るための「保険」です。
当事務所は、あなたの勇ある行動が報われるよう、最後の仕上げを全力でサポートいたします。
「こんな内容でも書面にできるかな?」「費用はいくらかかる?」など、まずはささいな疑問からでも構いません。お気軽にご相談ください。
口約束で終わらせていませんか?
解決を「確実なもの」にする書面作成はお任せください
トラブル解決・示談書作成のプロである行政書士が、
あなたの状況に合わせた、法的に強く、漏れのない合意書を迅速に作成します。
初回相談は無料です。まずは「解決した内容」をお聞かせください。
※全国対応・オンライン/LINE相談可
※平日夜間・土日祝日も事前予約にて対応いたします


